片付け・整理収納を成功させるためには、まず理想の暮らしをイメージしておくことが大切です。
好きなインテリアの写真などを集めて、ありありとイメージしていきましょう。

そのイメージを具体的な収納の作業に落とし込むためには、現状の片付けに対する不満を書き出してみることが効果的です。

今回は、片付けの不満を書き出してみることの効果についてお話したいと思います。

現状の不満を書き出してみる

理想の暮らしをイメージしたあとは、家の中を見直して使いやすい収納を作っていきます。

でも、毎日の片付けを楽にするには、今までの部屋の使い方それぞれの収納を見直すことが大切となってきます。

ここで考えてほしいのは、「何が不満で、何が使いにくいのか」です。そんな不満を紙にすべて書き出して、あなたの悩みを明確にしてください。

例として、私がかつて担当したお客様のお悩みを書き出してみました。

すべての部屋をすっきりさせたいO様:ご主人と奥様と幼稚園年長のお子様1人、一戸建て

1階のリビング横の和室で家族みんなが一緒に寝ており、その和室に家族全員の服や布団、あと子供のおもちゃや絵本なども置いてある。しかも和室に押し入れが一つしかなく収納が少なくて困っている

押し入れに毎日布団をしまうのが大変で、いつも布団が出たままになっているのが気になる。家族全員の服が和室の収納ケースに入りきらず、置くところがなく散らかりがち。

2階の寝室や子供部屋は使っていないモノであふれ、捨てられずに置いてある。寝室や子供部屋のクローゼットには、今はもうほとんど着ていない服ばかりがある。

子供が来年小学生になり、お友達を家に連れて来る機会も増えそう。いつもリビングや和室をスッキリとさせて、どの部屋も片付けやすいようにしたい。
勉強机も購入したいので、子供が片付けやすくなる子供部屋も作ってあげたい。

このように紙に書くことで、どこが問題なのか、そしてどうなりたいのかがまとまってくると思います。

部屋の使い方と収納を考える


現状の不満や悩み事を書いていくと、じゃあどうなりたいのか、どういう暮らしがしたいのかが自然と浮かんできます。

この悩みはどうしたら解消されるのでしょうか?

寝室には使ってないものばかりあります。それらを整理して、寝る場所を2階の寝室に変えてみるのも、和室をすっきりするための一つの方法です。布団もベッドに変更することで、毎日の布団の出し入れの負担もなくなります。

お子さんが小さい時は、階段の昇り降りが危ないという理由で1階の和室で家族みんなが寝るという選択だったようです。
しかし、ある程度大きくなってきて階段の昇り降りができるのであれば、寝室にはベッドを置いて、クローゼットに服を収納するようにすれば、和室がモノであふれてしまうという問題は解決します。

寝室を利用するようになると、いま着ている服をクローゼットに収納できるようになりますし、和室に置いていた布団や衣服は和室からなくなります。それだけでスッキリすると思います。

リビングをすっきりするには、リビング横の和室におもちゃを収納して、子供部屋にはおもちゃを収納せずに学校で使うものだけを収納するようにする。
そうすることで、おもちゃと学校用品が混ざってごちゃごちゃになるのを防ぐことになります。

以上の提案は、書き出した不満をもとに、「遊ぶ場所」「寝る場所」「着替える場所」「勉強道具を収納する場所」というふうに、どの部屋をどのように使うのかを考えてみた結果です。

モノは使っているところの近くに収納する」というのが、片付けを楽にするコツです。どうしたら心地よく過ごせるのかを考えることが、後の整理作業をスムーズに行うためにはとても大切です。

このように、どの部屋でどういう暮らしをしたいのかを考えることは、整理収納の作業のさらなるやる気へとつながっていきます。
ですので、いきなり捨てるモノを探す前に、まずは問題点を書き出し、そこから解決方法を考えて、そしてモノの整理作業に進むようにしましょう。