物を捨てたいけど、親が捨てさせてくれない。
そんなお悩みを持つ方、けっこういらっしゃいます。最近では、断捨離という考え方も広まってはきましたが、まだまだ物をためてとっておいたほうが安心という方は多いです。
そうなると、自分は物を捨てたいのに、家族は嫌がる、という状態が起こってしまいます。
今回は、どうやってそれを解決していくかについて考えてみます。とくに、家族とのあいだでの物を捨てることについての話し合いについて、書いていきたいと思います。
58歳女性の方から、以下のお悩み相談をいただきましたので、それ一例にして答えていきます。

私は、夏場の間の冬物の布団や寝具類の整理収納に悩んでいます。
羽毛布団などの一部はクリーニング屋さんに頼んで持っていてもらいクリーニング後は秋口まで預かってもらえますが、それ以外の毛布や冬物のシーツ等は洗濯後に収納しても、秋頃から使いはじめる時には再び洗濯したり干したりしないと使う気にはなれません。
歳もとってきたせいか、寝具類というのは結構重いし幅も広いので、作業するのも労力を使うこととなり疲れます。以前は四人家族だったので布団やシーツ、古い物や使わない物はがかなりあり、昨年までに随分処理したつもりなのですが、まだまだ沢山残ってます。
今年も、そろそろ夏向きのの薄いかけ布団やタオルケットに切り替えないといけない時期に入りましたが、足腰も弱っているせいもあり中々作業が進まずにいます。冬物の布団類を収納する前に、押入れの中に残っている使わないシーツ類や毛布類を処分してから、冬物を収納しようと思っています。
今は母と二人なのでシーツや毛布も、そんなに必要ないはずなのですが、いざ捨てようとすると母から「勿体ない」とか「高いお金払って買ったのに」とか横から口出しされてよく言い合いになります。母がショートスティに行っている間とかに、こっそりと不要な寝具類を処分して、押入れの中をスッキリとさせて冬物を収納するつもりですが、実際のところ何から手をつけたらいいのか分からない状態です。
寝具類の入れ替えや収納方法について効率よく、そして清潔にスッキリと収納する方法やコツ等について、知恵やアイディアを教えて頂けたら助かります。
目次
布団を捨てたいけど捨てられない親への対処法
昔使っていたお布団やシーツがまだたくさんあるご家庭、多いですよね。
そういうのが積み重なって入っていると高さも出てきて、収納する際に大変ですよね(ノД`)
お話しいただいているように、押し入れで使っていないシーツ類を処分された方が、冬物の収納はとても楽になると思います。
しかも、なんの収納テクニックも要りません。減らすだけでスッキリと楽に収納できるかと思います。
じゃあ何が問題なのか?
それは、捨てると横から口出してくるお母様かな?と思います。
でも、こっそり捨てるのはあまりオススメできません。
こっそり捨てると、お母様はきっと余計にお怒りになるのでは?と思います(^_^;)
ですので、関係が悪化せずにお母様が理解してくれるようになるには、やはりきちんと話し合うのが大事になるかと思います。
片付いていることのメリット・デメリットの話し合いが大切
使わない布団類をずっと持っていることのデメリットを話してみましょう。
・足腰が弱くなり、出し入れに負担が大きい。
・使わないものを収納していても劣化してカビ臭くなるしメンテナンスが大変。
・誰か来て必要になるときには布団のレンタルもあるし、その方が清潔。
その話し合いをするときに見極めてほしいのですが、お母様は単にもったいなくて物を捨てられないタイプなのか、強迫性障害の病気で捨てられないタイプなのか…どちらでしょうか?
いわゆるゴミ屋敷で暮らしている方は、この強迫性障害になられている方が多いです。捨てることが恐いのです。
なにか心に病気がある場合には、無理に捨てさせようとすると、相手はパニックに陥りますので、素人には難しいです。専門医で見てもらって下さい。
病気でなくても、他人を変えることは難しいのです。お母様自身が、部屋をきれいにしたい、もう少し片付けが楽になったらいいな…と感じていないと難しいです。
大事なことは、勝手に留守の間に捨てないことです。ますます親子の関係が悪くなり、意地になって余計に捨てられなくなる可能性も出てきます。
他人を変えることは世間では難しいと言われています。でも人はあらゆる影響を受けるものです。与える影響で徐々に変わってくると思います。
根気よく影響与えていくことで、お母様の考え方も少しずつ変化がでてくる可能性があります。
具体的な話し合いのポイント
では具体的に、お母様が物を手離せるようになるポイントをお伝えします。
まず、片付けのテレビ番組を録画してお母様に見せてみましょう。
散らかった部屋、ぎゅうぎゅうに詰まった収納を片付けているところを映像で観ていただきます。
もったいないからと処分できずにため込むと、いざ処分するときにこんなに大変なんだというのを映像を観ながら感じてもらいましょう。そしてその時、こんなに物をためたら処分するときにどのくらいお金がかかるのかなど、話してみてください。
すると少しずつ、「物をため込んでいてもよいことはない」ということに気がつくことかと思います。
使わないものは捨てても大丈夫ということに気がついてもらうため、日頃から焦らず根気よく話題にしてみましょう。
「私らもこうならないよう、いらないもの処分して片付けなきゃねぇ」
と、相手の反応を見ながら、デメリットを話してみましょう。
強く言うのではなく、あくまでもソフトに、さりげなく。
また、実際にご自身の物を整理して使いやすくしてみて、
「ここがこうなったから出し入れしやすくなった」
とウキウキしながら片付いてることのメリットをお話しましょう。
片付けいていることのメリット。片付いていないことのデメリット。両方を話し合うことが大切です。
デメリットの例
片付いていないとさまざまなデメリットがあります。
・掃除に時間がかかる
・メンテナンスにお金がかかる
・片付け大変すぎてイライラする
・人を気軽に呼べなくなる
・虫がわく…
などなど。
お二人のあいだで、片付いてないとどんなデメリットがあるのか話し合ってみるとよいかと思います。できたら他者もまじえてみんなで話し合ってみると、他人の意見に驚かされたりもします。印象にも残りやすくなるでしょう。
>>片付いてることのメリットを考える
こちらも、話し合う方法について書いていますので、お母様と話し合う時の参考にしてみてください。
>>モノが捨てられない・手放せないとどうなってしまうのか?!
物が捨てられないことには、原因があります。こちらの記事も参考にしていただければと思います。
>>モノが捨てられない・手放せない原因とは?
メリットの例
物を手離すことができない人は、それを買うことがもうできないと思っていたり、また買いなおすことがもったいないと考えてしまっている場合が多いです。
「布団をレンタルしたとしてもこのくらいの金額ですむのよ。」
「しかも古くもなく清潔でキレイだし、物の出し入れも楽になるよ。」
と、このように根気よくメリットを伝えていくことをオススメします。
よその家庭がどうしているか伝えるのも効果的
片付け好きそうな他者にも協力してもらい、「うちはこういう風にしているのよ」とご近所さんやお友達さんなどと話し合う機会があるといいでしょう。
肉親に言われると反発しやすく聞く耳を持たないことも多いのですが、他人の話なら不思議と聞くことができることがあります。そのときすぐに影響を受けることはむずかしいですが、でも他者からの話はじわじわと影響されるのです。
外の人も捨てているというのを聞いて社会的なプレッシャーを与えることとなります。
でもあくまでも、ソフトに世間話程度がいいです。人から指摘されるとムッとすることにもなりますので気を付けましょう。
以上の方法は、物を減らしたいときに家族に協力してもらえるようにうながす方法となります。
勝手にいない間に捨ててはダメなの?そんなまわりくどい方法なの?と思われることと思いますが、この方法が一番なのです。
ですので、まずはご自身のものを片付けて、片付け番組をみせながら、ゆっくりメリットを伝えていってください。
>>捨てられないモノを手放すには?その具体例
捨てる前でもスッキリ整理することも可能
ですが、お母様が捨てる気持ちになるまでそんなに待てないし、今解決したいことかと思います。そこで、とりあえず捨てる作業をせず、使っていない毛布やシーツ類を出しておきましょう。
そして、必要なものだけ押し入れにいれておきましょう。
これだけで特別な収納方法など必要もなく、スッキリ納められると思います。
使わないものはまとめておき、お母様にはこれをどこに置いたらいいのか相談してみましょう。
その際に、この押し入れには収納したくないということを伝えましょう。
その時すぐにはお母様は物を手離せられないと思います。ですが、そこで無理に捨てさせないでください。
「捨てられないなら置いてていいよ。」
「でも押し入れには入れるところもないし、邪魔だけどここに置いておくね。」
と、迷うものをとりあえず置いておくスペースを作っておきましょう。私はこれを「迷いボックス」と呼んでいます。
迷いボックスの活用法については、こちらを参考にしてください。
お母様の気持ちが使わない寝具を減らしてもいい方向にむけば、その時に手離したらよいのです。
そうすれば、関係も悪化せずスムーズに整理することができると思いますよ♪